2017年3月17日金曜日

鎮魂と勝負は別なので。 2017 第3節 アウェイ仙台戦

東日本大震災から6年経った3月11日。沿岸部と福島第一原発の避難区域など、復興はまだまだ途上にある中、鎮魂と慰霊の日に開催される試合。相手としてヴィッセルが選ばれたのはわからないでもないけど、複雑な気持ちだった。

ただ、鎮魂・慰霊と勝負は別。ともに2連勝中の相手であり、昨年セカンドステージ優勝の可能性を失う敗戦をしたベガルタ仙台。今年のタイトルを勝ち取るためにも絶対に勝たないといけない試合。

先発には小川慶治朗が復帰。細かいところでは、田中順也と渡辺千真の左右が入れ替わっていた。

ネルシーニョは慶治朗の縦へのスピードで仙台の3バックの外側を攻略することを狙っていたとのこと

しかし、その狙いは慶治朗の序盤の負傷で成り立たなくなった。

覆面記者によると、慶治朗の代わりのカードに最初は大槻を指名して戦術の継続を狙おうとしたが、松下を入れてバランスを取ることに臨機応変に対応したとのこと。




前半はお互いにほとんど決定機を作れず、堅い展開となった。

後半、いま一つ機能していなかった田中順也に代えてウエクスレイを投入。千真との縦関係の2トップに変更した。



松下とウエクスレイのコンビでボールをキープできるようになり、攻撃が活性化した。右サイドで溜めて、逆サイドから入ってきた大森が先制ゴール。素晴らしいゴールだった。

そのあともほぼ同様の流れで大森のシュートの跳ね返りを藤田が素晴らしいトラップ・フェイントからゴール右隅に流し込む。

今の神戸の守備からしたら2点はセーフティリード。2-0は危険なスコアとは言うけどね。

そのあと、仙台にボールを持たせる時間が長く続いたけれど、枠内シュートはスンギュの正面を突いた1本だけ。

完勝でした。




J1で唯一の3連勝で単独首位。昨年の下位相手が続いたとはいえ、本当に素晴らしい。

DAZNの週間ベストプレーヤーに岩波が選ばれた。
岩波個人が仙台の攻撃陣を押しとどめた試合ではないので、少し違和感。石原直樹の挑発に乗らなかったのが選考の理由か?

ベストゴールには藤田と大森が入った。こちらは納得です。




2017年3月6日月曜日

ポルディ加入で大阪から主役の座を奪うぞ!(ESPNの英文記事)

ESPNというアメリカのスポーツ専門チャンネルがあります。そのサッカー関連記事ESPN FCにポドルスキー加入に関連して、ヴィッセルについてとても詳しい記事が書いてあったので紹介。

神戸と大阪の関係を持ち出して記事にするなんて、よくわかっている記者やなあ。

Can Lukas Podolski put Japan on the footballing map again at Vissel Kobe?


おおざっぱにいうと。
・神戸は牛肉の上手いいい港町だ。でも多くの旅行者は大阪に行ってしまう。
・サッカーについても同様のことが起こっていて、ガンバ大阪はタイトルを取ったし、セレッソは優勝に王手をかけたことがあった。まあ、セレッソはフォルランを取ったけど降格しちゃった。確かなことは大阪にいると退屈しない。
・神戸も二回降格しちゃったけど、二回とも一年で昇格した。
・去年7位がこれまでの最高成績だって。
・2014年に正式にネット通販の巨人の楽天グループに入った神戸は補強にめっちゃ金を使えるようになった。それで、ポドルスキーを獲得した。

(中略)

・ポドルスキーの加入は変革だ。ドイツ人ストライカーには大きなプレッシャーがかかるだろう、ヴィッセル神戸が最終的に大阪から主役の座を奪うだけでなく、日本のサッカー全般が世界に足掛かりを残すために

”Vissel Kobe to finally take the spotlight from Osaka”

ええこというなあ。

ESPNっていう世界的に有名なサイトにとりあげられるという、Rakutenの世界戦略は順調進行中です。

2017年3月5日日曜日

春先神戸に、見に来てね♪ 2017 第2節 ホーム新潟戦

開幕戦で負傷したレアンドロは全治6か月の重傷との発表があったのが火曜日。
一方、ルーカス・ポドルスキ-の加入が発表されたのは木曜日。しかし、加入時期は未定でヴィッセルは3月中の加入を求めて交渉中らしい。本人とガラタサライのコメントではトルコリーグが終わる6月以降。

サポーターの感情の上下動が大きい中で迎えたホーム開幕戦。対戦相手は新潟。スタジアムは前売り券完売の超満員。
レアンドロの代りにFWには渡部千真が入った。前節、千真が入っていた左SHには大森が回り、右SHには松下が起用された。
面白いのは右利きの大森を左、左利きの松下を右に起用したこと。両SHにはサイドを縦につけという狙いではなく、内側に入ってシュートを打てという狙いかな。

先制点は前半3分。右サイドからの藤田のロングスローをニウトンがフリックし、落ちたところを大森がドリブルでゴール前に切れ込んでシュート。DFにはじかれたところを渡部博文が押し込んだ。


そのあとの神戸は流れのなかでのリズムを作れない。清水戦では丁寧にパスを回せていたのに、満員のホームの雰囲気が裏目に出ているのか、攻め急いでしまい、効果的な攻撃を組み立てられなかった。

ネルシーニョ監督は落ち着いてボールを回すように、攻め急がないように指示を出す。守備も落ち着いて構えて、カウンターの惜しいチャンスも作れるようになった。

新潟の攻撃の中心は快速のブラジル人ホニ。何度も神戸のディフェンスラインの裏を狙う。惜しいチャンスも作っていたけれど、シュートの精度が悪く助かった。

けれど、75分。途中出場の田中達也に同点ゴールを決められた。右サイドからのクロスに山崎亮平がフリーでヘッド。スンギュがスーパーセーブをしたものの、角度のないところを決められた。

しかし試合を決めたのはこちらも途中出場の高橋秀人。コーナーキックからの流れでこぼれてきたところをファーストタッチで押し込んだ。
この試合、ウエクスレイも初出場。10分ちょっとの短い時間だったけれども、惜しいシュートを含めて、いくつかチャンスを作っていた。自分が絡んでボールを奪われた後の守備も精力的。ポドルスキーとレアンドロ不在の間は出場チャンスが多いはず、かなり期待できるんじゃないだろうか。

これで、新人以外の新加入選手の全員、田中順也、渡部博文、大森晃太郎、高橋秀人、大槻周平、ウエクスレイが第2節までで早くも出場した。各選手、それぞれ持ち味を出しているけれども、もう一つなのが田中順也。コーナーキックからは得点に絡んでいるけれども、流れの中ではゴール前に顔を出すことが少ない。ビルドアップのことを重視しているのかもしれないけれども、ゴールを決める姿を早くみたいな。

次節は7年目の3.11に行われる仙台ー神戸戦。仙台が2連勝で好調というのもあるけど、舞台設定も含めて難しい試合になりそうだ。開幕2連勝しても降格した実績があるので、この次が3月の試合で一番大事な試合だと思う。

さて、「ほうら春先、神戸に見に見に見に来てね♪」って聞こえる矢野顕子の春咲小紅。
3月初めのホーム開幕戦にこれほどふさわしい曲はないんじゃないでしょうかね。