2014年3月10日月曜日

柏戦 まずまずの内容と残念な結果

ホーム開幕の柏戦、先発の11人は前節の川崎戦と同じ。
ただし、小川慶治朗とペドロ・ジュニオールの位置を入れ替えてきた。
左サイドの守備強化とPJには守備の負担を減らして、攻撃に注力できるようにという狙いだったのだろう。


この狙いはまずまず上手くいったけれども、十分な結果を得られたともいえない。
守備は、川崎戦のように大きく崩されることはほとんどなかった。
攻撃は、PJが決定的なシュートチャンスを3回得て、そのうち1回だけを決めた。

もう1点取ってれば勝っていたのだから、惜しいとしかいえない。

もう一つの問題は、慶治朗が守備に重心を置きすぎて、攻撃にあまり絡めなかったこと。
去年は左サイドで出場することが多かったため、監督としては慣れたポジションということで、守備に重心を置いたとしても攻撃力は発揮できると踏んでいたのではないだろうか。

この試合、一番のポイントになったのは75分のシンプリシオの退場。
シンプリシオとしては腕を張って、自分のスペースを確保していただけなのに、そこに柏の大谷が過剰なスピードで突っ込んできた。
シンプリシオが左向きにターンしようとして左腕を左方向に振っていたのならば、偶発的とはいえ相手の顔をはたく形になるので、レッドカードが出ることはあるかもしれない。(スタジアムで見ていたときはそういう理解でした。)
しかし、VTRを見るとシンプリシオは大谷に押される形になって右ターンをしている。右ターンをしながら左腕で、相手にダメージを与えるなんてどうやったらできるんだろう。

吉田主審はこの試合のビデオを見て、きっと眠れない夜を過ごしたことでしょう。

Jリーグ新チェアマンの村井氏は就任のあいさつで、Jリーグを盛り上げるために選手に「3つの約束」を守ってほしいと語った。(それ自体が子供じみているという意見は置いといて)

しかし、この試合の残り1/4をつまらないものにしたのは、22人の選手ではなく、吉田主審ただひとり。

Jリーグが始まって21年目、審判のレベルは確かに上がっている。しかし、誤審について公式に検証されることはほとんどないため、レベル向上は実感しにくい。

新チェアマンには、審判を取り巻く環境(大きな責任とそれに見合った待遇)の向上もぜひ取り組んでいただきたい。




蛇足:
試合終了近くにマルキーニョスがエリア内で倒されたシーンは、ボールが完全にはマルキーニョスのコントロール下ではなかったので、PKではないでしょう。そのジャッジは評価します。

蛇足2:
終了後、審判が引き上げていく間、サポータからブーイングが続いていた。これは観客から審判に対する不満を明確に伝えたという意味で、その不満はマッチコミッショナーはじめ、関係者に確実に伝わったことでしょう。サッカー観戦の作法に則った正しい主張方法でした。神戸ホームでこういうのが味わえたのはうれしかった。

蛇足3:
前半、柏のレアンドロ(モンテーラ・ダ・シルバ)がボールを持つたびブーイングが起きていた。こういうの大好きです。

2014年3月7日金曜日

祝!ホーム開幕 柏戦プレビュー

等々力での川崎戦は、細かくパスをつなぎ中央突破をするという今までの神戸のイメージを覆す戦いをした。雑誌やネットでの評価は上々だったようで、うれしい限り。
戦術ポポから戦術マルキへの大転換、昨年末からの短い期間でよく作り上げたと思う。

守備の弱い川崎だから通用したという意見も聞こえてくる。ホーム開幕戦でも魅力的なサッカーをしてそんな声を封じ込めたい。

とはいえ、今期の柏は優勝候補、レアンドロ、レアンドロ・ドミンゲス、工藤の攻撃陣はリーグトップクラス。川崎は相手チームの戦術など構わず、自分たちのスタイルを変えないチームなので、こちらのやりたいこともできる試合になるが、柏のネルシーニョ監督はリーグ随一の戦術家なので、川崎戦とは勝手が違うことになる。
2011年のホーム(ユニバ)戦はこちらのやりたい前からのプレスを柏にやられ、ボランチから前にボールを運ぶことすら難しかった。結果、0-4の大敗。

川崎戦で狙われた左サイドも問題。安達監督も修正してくるだろうが、ペドロ・ジュニオールを左ウイングに使う限り、左サイドの守備の弱点解決は難しい。右サイドに張ることが多い工藤をどう捕まえるかが鍵になるだろう。

2014年3月3日月曜日

ヴィッセルVer.2014のお披露目成功!

強豪相手に貴重な勝ち点1 J1神戸開幕戦 -神戸新聞

19歳FW松村が劇的同点弾!J1復帰の神戸が川崎Fに追いつく-ゲキサカ

神戸のスタメンには新加入が6人。というか、補強した選手のうち、ルーキー以外全部スタメンにしてきた。
一方の川崎の新加入はパウリーニョひとり。しかも、ACLで公式戦を1回戦っている。

試合前には不安しかなかった。川崎には3点、4点取られることがざらだったし、なにより相手には去年の得点王、大久保嘉人がいる。

ところが試合開始直後にマルキーニョス、ペドロ・ジュニオールのコンビネーションで中央突破。お、いけるのでは?という雰囲気に。
そのあとも、マルキーニョスにボールが納まるので、森岡、PJ、慶治朗が前を向いてプレーできる。シンプリシオも前を追い越してゴール前までやってくる。
神戸のサポーターのほうに攻め込んでくるので、とても楽しい、わくわくする。

コイントスでキャプテン慶治朗が普通とは逆のコートを選択。これが大成功。
大宮でのプレシーズンマッチが中止になって、ほとんどのサポは今シーズンの姿を知らないだけに、前半神戸のサポーター側に小気味いいショートパスの連続で攻めてくるのはヴィッセル2014バージョンの最高のプレゼンテーションだった。

昨年、失点が多い川崎だからあそこまで攻められたという声もあるけど、ジェシが復帰して、中央にパウリーニョがいる守備は去年よりもパワーアップしている。
それを相手に中央突破を挑んでいったのだから、立派なもの。

このサッカーはポポ、マジーニョ、エステバンの不在を感じさせず、逆にポポやマジーニョ、エステバンがいたらできない、流れるようなサッカーをやった(やろうとしている)のは、かなりすごいことだと思う。強化部と監督の方向性が一致しているからなのでしょう。

試合中盤からはサイド攻撃も織り交ぜて、速いクロスボールをマルキーニョスにピンポイントで合わせるという形もあった。特に右サイドからの高橋のクロスは得点の可能性が感じられた。高橋はこれまで走るチームにいなかったので、最後まで走り切れるのかという不安もあったけど、試合終盤までサイドを駆け上がっていた。これはかなりのものですよ。

安達監督続投支持をしていた立場としては胸をなでおろせた開幕戦でした。