2013年10月6日日曜日

J2で1年間戦えば強豪チームに生まれ変わるのか?(その2)

首位となっても手放しで褒めることができないヴィッセル神戸。
では、過去の1位昇格チームと比べて、戦績はどうだったのか?

過去の首位昇格チームと5つの指標で比較した。

1.平均勝点:1試合あたりどれだけの勝点を積み上げたかの指標
2.平均得点:1試合あたりどれだけの得点をあげたのか、攻撃力の指標
3.平均失点:1試合あたりどれだけ失点したのか、守備力の指標
4.2位との勝ち点差:独走していたか否かの指標
5.勝点偏差値:全チームの中でどれだけ抜きん出ていたのかの指標(50が平均値という受験の指標同じもの)

これらの指標を使って過去の1位昇格チームと今シーズンのヴィッセル、ガンバを表にした。


過去、平均勝点が最も大きかったのは2004年の川崎の2.39、ついで2008年広島の2.38、少し離れてついで2010年仙台の2.22。ヴィッセルはやや離されるが2.06というのは過去の1位チームと比べて遜色はない。

勝点偏差値が最も高かったのは2008年広島の75、ついでヴィッセルとガンバの71。他の勝点偏差値70台チームは2位との勝点差が大きいが、今年の1位、2位の差は35節終了時でわずかに1。
過去になかった高次元の首位争いということがわかる。また、この勝点偏差値が60台のチームは翌年降格する、または残留争いしているケースが多いことから、勝点偏差値がチームの基礎体力を表しているのかもしれない。

ここまではヴィッセルの評価が高いが、平均得点、平均失点についてみてみると評価は違ってくる。

平均失点はガンバの1.1に次いで2番めに悪い1.0。1試合に1点取られるペースとなる。(ただし、第35節終了時点でJ2の最少失点チーム)
一方の平均得点は1.8と良くはない。




図にしてみるとわかりやすい。
グラフの面積が小さい2007年の横浜FC、2008年の札幌は首位で昇格しながらも、翌年最下位で降格している。
一方、グラフの面積が大きい2008年広島、2010年柏は翌年好成績を上げている。
対して、ヴィッセルのグラフは、2位との差が小さいということ以外、大きな特徴がない。
これから2位のガンバとの勝点の差を大きく広げるのは困難な仕事であるから、指標を改善するとすれば、過去の1位チームに比べて悪い結果となっている失点の削減しかない。

今シーズンのJ2最少失点ということで、見えていなかったポイントだったが、今後改善するべきは守備だということになる。

前節の水戸戦ももちろん2点めを取れていればよかったのだろうが、より重要な問題点は失点しないこと。残り7節で守備を改善することができれば、来シーズンの飛躍につながるはずだ。

-おわり-

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